SSブログ

東京に散らばるタンス町の由来 [東京都]

東京都の新宿区や台東区、港区六本木の一部にもある「箪笥町」(タンスまち)。なぜ都内のあちこちにタンスの町があるのでしょう? タンス製造や販売が盛んだった地域なのだろうか?タンスで栄えた町なの?という疑問は、どうやらよくあることのようです。 調べてみると、タンスはタンスでも私たちに馴染みのある「衣装収納の家具」とはちょっと違いました。
「箪笥」と聞くと、引き出しのある「タンス」を思い浮かべますが、この、箪笥町の「箪笥」は、“家具”ではなく、“武器”に関係するものです。 江戸時代、箪笥町の辺りには、幕府の武器をつかさどる具足奉行・弓矢鑓奉行組同心の拝領屋敷がありました。 幕府の武器を総称して、「箪笥」と呼んだことから、正徳3年(1713)年、町奉行支配となった際、町が起立し、牛込御箪笥町となりました。 その後、冠称の「牛込」がとれ、現在の箪笥町という名前に至ったのです。 引用:東京都公文書館「江戸東京の町名(新宿・旧牛込区)~牛込神楽坂駅『箪笥町』の由来から」
なるほど!タンスは当時の「政府の武器」のことだったのですね。 武器を扱う同心に与えられた土地だったから、「武器」つまり「箪笥」の名がついたということのようです。 しかし、武器を箪笥と呼ぶとは・・・?と思いさらに調べてみると、箪笥は、もともと洋服だけでなく、鉄砲の弾用もあり、色々と仕舞うものの種類があったようです。 むしろ箪笥はもともと「持ち運べる筒状のもの」だったとか・・・。 途中から、「引き出しがある」「置く形」がメインになっていったそうで・・・今の「箪笥(タンス)」はあくまでも「衣装箪笥」の略なのだそうです。 ああ、ちょっと地名の由来調べてみただけて、まさか箪笥の歴史を知るなんて・・・奥深くて楽しいですね。まだまだ箪笥の歴史は深そうです。 現在でも「新宿区牛込箪笥区民センター」や「箪笥町特別出張所」「牛込箪笥地域センター」「牛込箪笥区民ホール」などと、地名がしっかり公共の施設につけられているので、疑問に思う人もたくさんいそうです。 まさか、その「箪笥」が武器という意味だとは、思いも寄りませんよね。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。